田代発電所→伝付峠(天)→二軒小屋→徳右衛門岳(天)→蝙蝠岳→雪投沢(天)→塩見岳→三伏峠→小河内避難小屋(泊)→荒川前岳→荒川小屋(天)→荒川中岳→悪沢岳→二軒小屋(天)→転付峠→田代発電所※写真をクリックすれば拡大します。
![]() |
開始は歴史あるルートから 新倉集落から西河内川沿いに林道を車でしばらく行くと田代発電所がある。ここに車を停めて伝付峠 を目指す。田代発電所から伝付峠まではなかなか趣のある路だ。 写真のように渓谷沿いに幾つもの橋や梯子が掛けられている。 殆どの橋は曲がったり、手すりが落ちていたりと若干荒れてはいるが、 それが妙にこのルートの雰囲気を醸し出すのに役立っている。 |
![]() |
かつて、東海パルプが木材の産出を盛大に行っていたころ、大井川沿いの二軒小屋や椹島の事業所に食料等の物資を運ぶため、あるいは伐採の人夫を供給するため、新倉近辺の住民が何人も伝付峠を越えたということだ。今は大井川上流の東俣林道などの開通により廃れ、その痕跡を残すのみだが、 明治時代には伝付峠を通って富士川から長野県の伊那谷までつなぐ道(伊那街道)があった。 このルート、南アルプスの興味深い歴史を語る時、抜きにはできない路でもある。 また、日本を東西に分ける大断層、糸魚川−静岡構造線(フォッサマグナ西辺)を観察できる場所でもある。 |
![]() |
このような滝も随所で見られる。ただ、途中ではっきりしない地点での 渡渉もあり、雨後はかなりの注意が必要。ときには崩落なども予想されるため事前に色々と確認すべき(早川町役場)。 |
![]() |
伝付峠(1985m) もともと転付峠と書いていたが、最近は伝付峠と書くのが正式らしい。 峠には自然に還りかけた林道があり、絶好の天場になる。写真の林道を奥に行けば笊ヶ岳に達する。 他に4人が幕営したが、彼らの明日は白峰南稜方面なので峠に、われわれは二軒小屋分岐に幕営。大声を出せばやっと聞こえる位の距離。満天の星の下、ときおり鹿の声が響くが、実に静かな夜を迎えた。 (今日の目的地は徳右衛門岳だったが、最初の遅れで、ここに幕営することを決定。) ※水は峠手前5分の登山道に十分な水量の流れがある。多分涸れることはないと思う。 |
![]() |
後ろに聳える赤石岳 今日は中岳、悪沢岳、千枚岳から万斧沢ノ頭を越して二軒小屋まで。 時間的にはかなり余裕があるが、それでも暗いうちに出発。 昨日下った急斜面を再び登り返す。明るくなってきたところで振り返れば、赤石岳の大きな姿。 山頂は雲の中。右手に荒川小屋が見える。 |
![]() |
雲の悪沢岳山頂 途中から雲の中に突入。下から上を見るとあっという間に視界がなくなる。そんな中 まゆ太さん夫妻(北岳から光岳まで縦走)が雲の中から降りてきた。ちょっと話をするが狭い尾根上の登山道のため記念写真を撮ってもらって分かれる。目指す悪沢岳は雲の中。朝日の光でかすかに透けて見える感じだ。 |
![]() |
しかし、見る間に雲が飛ぶようにして切れていく! |
![]() |
我々を迎える準備をあわただしく終えようとする悪沢岳。 |
![]() |
荒川東(悪沢)岳山頂 |
![]() |
そして、今回縦走最後の3000m峰、悪沢岳(荒川東岳)山頂からの富士。 |
![]() |
縦走前半ルートを遠望 今度は、縦走前半に歩いた徳右衛門岳から蝙蝠岳・塩見岳を振り返る。 この後、千枚岳を越えて二軒小屋まで下る。 |
![]() |
千枚岳 |
![]() |
万斧沢ノ頭(マンノウサワの頭) 万斧沢ノ頭からは南アルプスらしい厳しくて果てしなく続く下りとなる。 |
![]() |
やっと、人工物が... |
![]() |
二軒小屋には12時過ぎに着く。二軒小屋の天場は、オートキャンプ場のような草地で気持ちが良い。 ビールや飲み物は自動販売機で買えるが、残念ながら小屋での販売はつまみの類を含めて一切無し。 できれば、オデン・カレー・ラーメンとかを食べたかった…。 |
![]() |
〆は伝付峠から望む富士山。 |
![]() |
夏、荒川中岳から荒川小屋の斜面、悪沢岳から千枚岳に至る路は色とりどりの花で埋められる。
いちいち写真に撮っていたらそれこそいつ目的地に着けるかわからないような感じだ。
写真に撮らなくても高山植物の図鑑でも購入すれば載っている花は殆ど足元にある。
なので、ちょっと「花を添える」程度に、上左からソバナ、チングルマの果穂、タカネビランジ(白花)、キンレイカ、ミネウスユキソウ、ハクサンイチゲ。 |